結婚するときはとんとん拍子に話が進んだ夫婦が,離婚するときはもめにもめる…なぜでしょうか?

  答えは簡単,結婚に向けた話し合いをするときは,「あなたなしでは生きていけない。」とばかりに愛し合っていた二人が,離婚の話し合いをするときは「あなたなんか,顔も見たくない,声も聞きたくない。お願いだから近づかないで!」などという状態に至っているからです。話し合いの環境がおよそ整っているとはいえません。

  そのような中で,どのように離婚に向けた話し合いを実現するのでしょうか?

  悩んでいても始まりません。第三者の助けを借りましょう。

1 親族など第三者に仲介をお願いする

  費用がかからないこと,夫婦の実情をある程度わかってもらえていることがメリットです。試してみる価値はあるでしょう。

  ただし,必ずしも仲介をお願いする親族が中立公平であるとは限らないこと,仮に中立公平な立場を貫く方がいたとしても,法的知識が不十分なため,協議の進め方,結果において不公平なものとなる可能性があること,冷静な話し合いができなかった場合には,かえってトラブルが増幅する可能性もあることなどのデメリットがあります。

2 弁護士に相談する

  弁護士は,法的知識があり,離婚に関するトラブルも扱い慣れているため,当事者間で話し合うよりもあなたにとって有利な結果が得られる可能性が高いことが最大のメリットです。

  まず,早い段階で一度弁護士に相談するのも一つの方法です。ご希望に応じ,協議そのものを弁護士に一任することもできますし,随時弁護士のアドバイスを受けつつ,自分で協議を行っていくことも可能です。

3 家庭裁判所に調停を申し立てる

  費用も低廉で(申立実費は,数千円程度),かつ中立公平な第三者の立ち会いの下,離婚に向けた協議を実践できるのがメリットです。

  ただし,一旦調停が成立してしまうと,その内容を覆すのは困難ですし,金銭支払の約束の点は,差し押さえ等強制執行も可能になるものですので,いきなり申立をするのでなく,ある程度慎重さも求められます。

  どういう資料を準備すればよいのか,調停ではどのように発言し,行動すればよいのかも,弁護士に相談することができます。ご依頼があれば,弁護士が代理人として,調停に同席しあなたの権利を積極的に擁護し,調停期日へ向けた準備も行うこともできます。調停段階から弁護士に依頼をしておけば,後で「こんな調書にするんじゃなかった」,「こんなこと合意したはずじゃないのに」などというトラブルを回避することができます。